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キャリアコンサルタントは、個人や組織に対して、キャリアアップに関するアドバイスを提供する専門家です。現職の仕事に不満を持っている方や転職を検討している方に対して、キャリアの再設計や転職のアドバイスを行い、自己分析や適職探し、履歴書・面接の準備、転職市場の情報収集などを手助けし、よりよいキャリア形成をサポートします。
登録を継続するには更新講習を受ける必要がある
国家資格に合格し、登録してから正式にキャリアコンサルタントとして名乗ることが可能です。ただし、登録が完了した日から、5年ごとに更新講習を受ける必要があります。更新する際の有効期間は、満了の90日前から30日前の間となります。更新時には、受講する科目の受講料と更新受講料8,000円(非課税)がかかります。更新講習を受講しなかった場合、資格は失効となるため注意が必要です。
更新講習が必要な背景には、キャリアコンサルタントの質を向上し、知識や技能をブラッシュアップし続ける必要があるためです。厚生労働大臣から指定された2種類の更新講習は、キャリアコンサルタントに必要とされる能力向上を図るための必要不可欠です。それぞれ講習時間が異なり、必ず受講しなければいけない時間は知識講習で8時間以上、技能講習で30時間以上が義務付けられています。
ただし、更新講習が免除される場合があります。条件は複数あり、キャリアコンサルティング職種1級に合格した方から実務指導を受けた時間、または、キャリアコンサルティングとして実際に仕事に勤めた時間が10時間以内に限り技能講習が免除されます。
ほかにも条件として、登録後キャリアコンサルティング職種1級・2級に合格した方は、合格後5年以内に行う更新において、知識・技能の講習が免除され、キャリアコンサルティング職種1級を所持されている方は、更新時の技能講習が免除されます。
1級で実務指導ができる水準となり、2級で熟練者に位置し、キャリアコンサルタントの上位資格になります。実務経験を積んだ方しか国家試験を受講できないため、当然の権利といえるでしょう。
講習ではどんなことを学ぶのか
キャリアコンサルタントが所属する団体や協会が提供する研修やセミナーを通じて、専門分野の知識やスキルを深められます。キャリアコンサルタントは最適なキャリア支援を提供するために、常に知識を更新していくことが重要です。更新講習の内容について、それぞれ確認してみましょう。
知識講習の内容
知識講習の内容では、次の科目があります。「職業能力の開発の知識」「企業におけるキャリア形成支援の知識」「労働市場の知識」「労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識」「学校教育制度及びキャリア教育の知識」「メンタルヘルスの知識」「中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識」など、上記の科目をすべて含めた8時間以上の講習を受ける必要があります。
技能講習の内容
技能講習では、さまざまな分野があるため「自分自身を高めたい」「追求したい」などの技能を自由に選択できます。内容をそれぞれ確認してみましょう。
キャリアコンサルティングに関する基本的な技能
基本的な技能に関しては「カウンセリングやグループアプローチの技能」「キャリアシートの作成指導及び活用の技能」「相談過程全体の進行の管理に関する技能」の範囲内で実施します。
相談家庭において必要な技能
相談家庭における技能では「相談場面の設定」「自己理解の支援」「仕事の理解の支援」「自己啓発の支援」「意思決定の支援「方策の実行の支援」「新たな仕事への適応の支援」「相談過程の総括」があります。さまざまな技能を組み合わせ、自分に必要な科目を取捨選択できます。
修了証発行には時間がかかるので余裕を持って受講しよう
更新講習を受講する際には、注意が必要です。とくに、更新講習の満了直前に受講する場合、修了証の発行が間に合わない可能性があるため、余裕を持って計画を立てることが大切です。
また、更新講習の目的は、定期的な知識や技能のアップデートにあります。単に受講することが目的ではなく、より深い知識とスキルの習得を目指すことが重要です。そのため、時間的余裕をもって計画を立て、自己啓発に取り組むことが望ましいでしょう。
まとめ
今回は、キャリアコンサルタントが受講する更新講習について解説しました。更新講習は、知識や技能の維持・向上を目的としており、自分が学びたい科目を選択できる柔軟性があります。これによりスキルアップが可能となり、さらなる活躍が期待できます。
また、キャリアコンサルティングに関する最新の知識や技術、法律・制度の変更点などについて定期的に学びなおすことが可能です。ただし、更新講習の満了までに受講する必要があり、スケジュール管理が重要です。
また、修了証の発行に時間がかかるため、失効を避けるためにも受講は余裕を持ったスケジュールで行うことが望ましいです。国家資格としての信頼性を高めるためにも、制度を理解し、定期的に更新講習を受講することが必要です。