キャリアコンサルタントは、主に就職に関連した相談に対して、専門的な知識や経験から助言する心理職です。助言により、相談者の人生に大きく影響することになるため、責任が大きいながらもやりがいのある仕事です。この記事では、キャリアコンサルタントになるための国家資格試験の難易度について紹介するため、ぜひ参考にしてください。
キャリアコンサルタントの資格取得は難しい?
はじめに、キャリアコンサルタントの国家資格取得難易度について紹介します。キャリアコンサルタント試験は、国家資格のなかで、比較的難易度が低い部類です。
キャリアコンサルタント試験の合格率は、学科試験と実技試験ともに、50%から60%の範囲で推移しています。合格率で見ても、ほかの国家資格と比べると高い水準といえるでしょう。ちなみに偏差値で見ると、キャリアコンサルタントは52程度とされています。
キャリア相談の実務経験がない方やまったくの未経験という方は、厚生労働大臣が認定する養成講座を修了することで、受験資格を得られます。0からのスタートは不安だと思いますが、ほかにも大勢の未経験受験者がいるため、合格を目指すことは可能です。
︎過去のキャリアコンサルタント試験合格率
ここで、過去のキャリアコンサルタント試験の合格率を紹介します。
2022年11月に行われた第21回資格試験では、キャリアコンサルティング協議会(CCC)受験者2,230名に対し、合格者は980名、合格率は43.9%でした。
日本キャリア開発協会(JDCA)の試験では、受験者1,259名に対し、合格者は657名、合格率52.2%です。名前が違う試験がそれぞれあることについては、後ほど詳しく紹介します。
上記も含めた、第21回試験の総合格率は、学科・実技試験同時受験者の合格率は46.9%。実技試験合格率は57.7%。学科試験合格率は61.7%となっています。
学科試験・実技試験の合格ライン
次に、キャリアコンサルタント試験の学科と実技、それぞれの合格ラインを紹介します。キャリアコンサルタント資格を得るためには、学科試験と実技試験、両方の合格が必要です。
しかし、どちらかが不合格になっても、次回以降の試験では、合格科目は免除してもらえます。1回で両方クリアできなくても、根気強くチャレンジしましょう。
学科試験の合格ライン
学科試験の合格ラインは、100点満点中70点以上です。上記でも紹介した2022年11月の、実施団体別の平均点を見ましょう。
キャリアコンサルティング協議会(CCC)の学科試験では、平均71.6点でした。一方、日本キャリア開発協会(JCDA)の学科試験は、平均71.2点で、ふたつの学科試験平均点に、大きな差はありません。
合格率で見ると70%以上となり、高い水準だということが分かります。
実技試験の合格ライン
実技試験は、論述と面接のふたつから構成され、150点満点中90点以上が合格ラインです。
上記と同じく、2022年11月の第21回試験平均点は、キャリアコンサルティング協議会(CCC)が89.5点。日本キャリア開発協会(JCDA)は、91.5点となっています。
キャリア相談の実務経験がある方は、論述や面接でのロールプレイングで、比較的高得点が取れます。しかし、実務未経験という方は、勉強した分だけ成果が出やすい学科に対して、実務試験が難関となりやすいです。独学では対策が難しい部分ですので、講座や指導者を探して、しっかり準備しましょう。
試験実施団体ごとに試験内容や採点基準が違う
最後に、キャリアコンサルタント試験の実施団体ごとの違いを紹介します。キャリアコンサルタント試験は、キャリアコンサルティング協議会(CCC)と、日本キャリア開発協会(JCDA)という、2つの登録試験機関が行なっています。
キャリアコンサルタント資格は、厚生労働省が標準化を進めているため、どちらの試験に合格しても、キャリアコンサルタントの国家資格を得られます。
試験はともに、学科と実技があり、学科試験は共通の問題です。実技試験では、団体により若干の違いはありますが、基本的なことについて大きな違いはありません。試験の難易度は、どちらかが簡単でどちらかが難しいということはなく、ふたつの試験に決定的な違いはありません。
違いを挙げるとすれば、実技試験の評価のポイントが、多少異なるという点です。キャリアコンサルティング協議会の評価軸は、態度・展開・自己評価の、3点がポイントとなります。
一方、日本キャリア開発協会の評価軸は、主張と問題の把握・具体的展開・傾聴の3点です。自己評価と主張・問題の把握こそが、実技試験の違いとなるため、受ける団体によって対策を決めましょう。
まとめ
この記事では、キャリアコンサルタント国家資格試験の合格率や難易度について、解説しました。国家資格試験のなかでは、比較的合格しやすいといわれるキャリアコンサルタントですが、計画性を持って勉強と対策をしなければなりません。
今回紹介したように、ふたつの試験実施団体による大きな違いはないものの、実技では対策の仕方を試験に合わせて考える必要があります。まずは、受験資格を獲得し、講座やストで、しっかり勉強しましょう。
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